2016年8月9日火曜日

親さまのお告げ

安藤は、早速親さまにお礼の挨拶に参上した。

「親さま、お陰さまで大金を頂きました。ありがとうございます」
「せっかくですから、本堂の新築に寄進させてもらいたいのですが・・」
と、進言すると、親さまはきっぱりと断り、

「安藤さまよ、お前さまの志はありがたいが、本堂などは10年後でもいいだ。だが、安藤さまよ、お前さまには明日から腹を据えてやってもらわねばならない仕事があるだ。
その金はそっちに使うだよ」
と、言ったかと思うと、ぎろーと安藤を見据えて、

「さー安藤さまよ、いよいよ金を使うときが来た」
未だかって見たことのない鋭い眼光で安藤をにらみつけると、

「やるか。安藤明!」
 と叱咤した。

              「へへー」 と、びっくりして親さまを見上げると、次の言葉が降ってきた。
親さま
「お前は天皇様を救うのだ。日本を救うのだ。よういか分かったか」


びっくりしながら厚木の帰路の親さまの言葉を思い起こし。

「そんことおっしゃても私にはさっぱりわかりません・・」と身震いしながら言葉を濁すと、

「近く、天皇様にとってもマッカサーにとっても都合のいいアメリカ軍人に会えるだ。その人とよく相談して協力してもらうのだ。そして日本を救うのだ」



更に続けて

「また経済的協力者もきっと現れる。心配するな。お前にはそれが出きるのだ。天皇様を日本をお前は救うのだ」

更に声高に

「よいか安藤、分かったか!」

安藤はうつむいて頭を垂れ、なにやらさっぱり分からないが親さまの威勢に圧倒されていた。
しばらく間を空けて、

「安藤、やるだ。必ず成功するだ。--しかし安藤、その後には神も仏もナイ悲惨な最期が待っているだ。それをよーく覚えておけ。そのときこそ心から神を祈るのだ」

まるで不動明王が眼前に立って見下ろし安藤を睨むのだ。

「へへー」と頭を下げて早々に立ち去った。

青天の霹靂だがはたしてどうなるのかさっぱり分からない。