とりわけ、マ元帥はワシントンとの対立があって、天皇問題を早急に解決するべく追い込まれていた。
処刑 33%
裁判にかける 17%
終身刑 11%
追放 9%
傀儡にする 3%
何もしない 4%
無回答 23%
と約70%が天皇の戦犯訴追を要求していた。
さらにニューヨーク・タイムズ紙は「天皇制は廃止されるべきである」と述べ、
他の有力紙も「あの帝システムが温存されいる限り、太平洋には平和は決してありえない」と。
中国からの非難も多く、
「天皇と天皇制は排除されるべきだ」「中国は裕仁を戦犯第一号として罪を問われるべきである。決して許すことは出来ない。処刑して南京の孫文通りにさらされるべきだ」と過激な報道も紹介されている。
英国では、
「天皇の大権を残す限り、また侵略を始める可能性がある」
オーストラリアは、
「天皇は責任を取るべきである」
「中国で日本軍が使用した残虐な細菌兵器が天皇の命令によるものだ」として訴追を強行に求めていた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/731%E9%83%A8%E9%9A%8A
この残虐極まりない非人道的な戦禍について、マ元帥は天皇にとって最も不利な証拠となるとして、この事件の公表の是非に対して苦慮したのである。
この事件の重要性をかかげるソ連にたいし、マ元帥はこれがソ連に「漁夫の利」を与える結果となることを憂慮して、幸か不幸か不問に帰す行動にでたのである。
実は、伏せられたこの事件が、天皇不起訴への重要な問題点であったことはあまり知られていないのである。
安藤が後に演じるGHQ高官との問答で、この細菌兵器の問題を詰問されたくだりがある。
これらの天皇訴追をめぐる世界の環境はますます厳しさを増していったなかで、
安藤に課せられてくる第三幕は、天皇制護持のために尽くす破天荒の行動が始まろうとしているのである。
これが天皇制護持を決定づけるマ元帥の天皇不起訴への決断へと進んで行った。